連載開始十周年を迎えた銀の匙の原画展が帯広美術館で開催されます。
約200点の直筆原稿やカラー原画、初公開の制作資料で振り返るエゾノーの青春。
実家の本棚に眠っていた単行本を全て引っ張り出して予習は完了です。
前売り券も買えたので、あとは仕事が終わるのを待つだけです。
銀の匙Silver Spoon展 帯広会場
住 所 帯広市緑ヶ丘2番地(帯広美術館)
電 話 0155-22-6963
期 間 2022年9月17日~12月4日
時 間 9時30分~17時(入館は16時30分まで)
観覧料 一般1,300円
高大生800円
中学生以下無料
休館日 月曜日、9月20日(火)、10月11日(火)
※9月19日、10月10日、11月7日は開館
銀の匙 Silver Spoon
十勝の農業高校を舞台に、主人公・八軒勇吾やクラスメイト達の成長を描いた漫画です
2011年に週刊少年サンデーで連載開始し、途中休載をはさみながら2019年に完結しました。
作者は「鋼の錬金術師」でも知られる荒川弘さん。
自身が農業高校の出身ということもあり、実際の経験も作品に多く反映されているそうです。
農業が抱える問題点やそこに従事する人々の心の葛藤がリアルに描写されています。
※9月22日追記
実際に見てきました。
展示をいくつかご紹介しています。
ネタバレもありますので、楽しみにしている方はまた今度。
ストーリー
札幌市の進学校に通っていた八軒勇吾(主人公)は学力競争や、父親のプレッシャーから逃れるため、寮制の高校へ逃げるように進学します。
進学先は大蝦夷農業高等学校、通称エゾノー。
所属する酪農科学科のクラスメイトには酪農や養鶏、養豚などの農家の跡取り達ばかり。
巻き込まれ体質であり、何かと真剣に悩みすぎる面倒くさい性格を持つ八軒は、やはり農業に対しても一つ一つ悩みを抱えていきます。
考え方の違う異端者、八軒がクラスに混ざることで、クラスメイト達は農家としての在り方や生き物に対する気持ち、今まで当たり前と思っていた事、見て見ぬふりをしてきたことに対して真剣に考えるようになっていきます。
生徒たちが葛藤しながらそれぞれに答えを出し、成長していく青春群像劇です。
読者によってとらえ方は変わる
私は八軒視点で物語を追いかけましたが、農家の方にとってはどうでしょう。
農家の一人娘で跡取りの御影。野球も農家も諦めない駒場。
養鶏場の跡取りで勉強が苦手な常盤。共同経営の大規模農場の娘タマコ。
獣医師志望だが血にトラウマのある相川。
視点が変われば物語の見え方は全く違う作品になります。
現実味のある多彩なキャラクターは、実際に農業高校を卒業された荒川さんだからこそ描けるのでしょう。
名言は実際に読んでほしい
一部有名なものを取り上げると、
「生きるための逃げは有りです。有り有りです。」
「その間道具を洗っておいてください。」
なんていうのが私のお気に入りです。
お金の使い方の話も大好きです。
マンガが読めるのは
アニメが見られるのは
帯広市が舞台
ばんえい競馬場
ばん馬が走る唯一の競馬場。
ミカゲホマレのデビュー戦が描かれました。
荷物を運ぶ農耕馬が競い合う。
だから、ソリをゴールラインまで運びきって初めてゴールとなるんです。
大きな第二障害に負けないばん馬たち。
ひっそりと片隅に置かれていました。
時代を感じます。
あ、あれ?
今の時代はこっちなの!?
十勝大橋
八軒が相川と将来について語り合った場所。
十勝川沿いの堤防がどこまでも続いている印象的なシーン。
アニメ版も見直しましたが、この回のお話はとても良き。
飯テロ!?
自分たちで育てたブタを食べれられるか?
実習で育てる子ブタに名前を付けてしまった八軒。
愛着が湧いてしまう中、出荷の時期がどんどん近づいてきます。
八軒は彼らを経済動物としてではなく生き物として考え、真剣に悩む姿が農家として育ったクラスメイト達に影響を与えていく。
普段私たちが何気なく購入している豚肉や鶏肉が、誰かの手によって育てられていることを改めて思い知らされます。
ベーコンやタマゴかけご飯。
美味しい野菜の焼き方も作中にたくさん登場します。
読み終わるとタマゴかけご飯が食べたくなるのは必然。
このためだけにご飯を炊きました。
帯広美術館ではエゾリスも見れるかも
美術館のある緑ヶ丘公園の敷地内にはエゾリスが生活しています。
駐車場から美術館への道にエゾリスを発見。
人には慣れていないのですぐ逃げていきました。
エサやりはダメです。ダメダメです。